【国内】釜山で元飲食店経営者が殺害される　嘱託殺人と認定し男性に300万円の賠償命令　大阪高裁　[11/23]

1 ：鉄火巻φ ★：2007/11/23(金) 15:32:36 ID:???
嘱託殺人に賠償命じる…大阪高裁民事訴訟

　◆韓国で犯行、国外犯で訴追されず

　韓国・釜山で１９９９年、大阪府内の元飲食店経営者（当時６５歳）が殺害された事件を巡り、嘱託殺人か殺人かが
争われた損害賠償請求訴訟の控訴審判決が２２日、大阪高裁であった。被告の男性（５６）は元経営者から殺害を
依頼されたとして「嘱託殺人」を主張し、刑法の国外犯の処罰規定の対象外として訴追されなかったが、元経営者の
妻ら遺族４人が「嘱託はなく、夫は男性に殺された」として、３０００万円の賠償を請求。渡辺等裁判長は嘱託殺人と
認定したが、賠償を認めなかった１審・大阪地裁判決を変更し、男性に３００万円の賠償を命じた。

　国外犯規定の対象外で刑事責任を問われなかったが、民事の賠償責任が認められた異例の判断となった。

　判決によると、男性は元経営者から「殺害されたと装いたいので手助けしてほしい」と頼まれ、同年６月、釜山の
ホテルで首をスカーフで絞め、死亡させた。男性は２００１年１１月、嘱託を装ったとして殺人容疑で大阪府警に
逮捕されたが、大阪地検は、殺人罪を裏付ける証拠が十分ではなく、嘱託殺人では起訴できないため、不起訴処分
（嫌疑不十分）とした。

　遺族は０４年１月、「嘱託はなく殺人」として提訴。訴訟では▽嘱託殺人か、殺人か▽嘱託殺人とすれば、
殺害の依頼者に、精神的苦痛による慰謝料が認められるか――が争点になった。

　昨年１２月の１審判決は嘱託殺人としたうえで、「元経営者は依頼通りに殺害されており、精神的苦痛を受けたとは
認められない」と訴えを退けた。

　控訴審判決で、渡辺裁判長は「元経営者は殺害を依頼する趣旨の念書を男性に渡した」として、１審通り殺人ではなく
嘱託殺人と認定。しかし、「他人の行為で生命を全うすることを妨げられており、精神的苦痛を受けなかったとは
言えない」と述べた。ただ、「嘱託があり違法性は減じる」とし、請求額の１０分の１にあたる３００万円の
慰謝料を認めた。

　遺族の代理人弁護士は「嘱託殺人の判断が覆らなかったのは不満」と話した。

　■国外犯■

　刑法は原則、国内で起きた犯罪を対象にしているが、国民が国外で犯罪に関与しても適用されるケースがある。
刑法３条などで殺人や殺人未遂、傷害、傷害致死など処罰対象の罪名を挙げているが、嘱託殺人は含まれない。

（2007年11月23日??読売新聞）
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20071123p401.htm